最近、嬉しい報告を聞いた。8年以上、自宅で療養していたクライアントが社会復帰をしました。彼とはかれこれ10年以上のお付き合いとなる。私がその会社の顧問に就いて、問題社員として初めて会ったのが、2008年10月15日でした。それまで毎年のように年休を全部使いきって、欠勤になっていました。仕事はきちんとこなしていたので、会社もある程度許容していたのですが、周囲に与える影響も考えるとそろそろ部下を持つ管理職の手前でもあり、その対策に乗り出したのがお付き合いの初めでした。それまでも腎臓の病気を患い、複数の病院にも通って、薬の服用は8種類以上に及んでいました。体重も130キロを超えていました。必ずどこか体の不調を訴え、自分の仕事が終わると就業時間を待たずに早退してしまう。次の日、先延ばしにしても問題ないと思えば、自分の判断で休んでしまうなどを繰り返していました。会社としては、いろいろとお願いしたいことや突然休まれるので当てにすることができなくなり、ほとほと手を焼いていました。
月一回のカウンセリングを行ってきましたが、やはり休職するということになり、満了をもって退職したのが、8年前となります。会社を離れても、彼との付き合いは続き、真夜中の電話や会いたいとの連絡を受けながら、何とか関係を持っていました。そんな彼が2年前辺りから体重が減り始め、今では80キロ台になったのが、きっかけか、少しづつ能動的な行動が始まりました。そんな彼が、今年の4月から派遣社員ですが、働き始めたのです。こんな嬉しいことはありません。
結局、彼は適応障害、うつ病などと診断されましたが、彼の中の「何かをしたい」という心の高まりを待ち、見守ることしかできませんでした。お父さんも同じような症状で苦しんでいますが、お母さん想いの優しい彼、頭もよく仕事もできる彼、これからもおなじように見守っていきたい。うつ病からすぐに回復できる人、時間がかかる人。人それぞれ個人的な差がありますが、自分を信じていれば、必ず回復することを証明しました。
ありがとう、また会いましょう。