「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、「性急に事実や理由を求めずにわからなさや不可思議さ、答えの見つからない現実の中にいることができる人間の能力」、「解決策が見つからない状況に一緒に居る能力」です。現代のVUCA(変動的・不確実的・複雑)の時代において、静かに心理学では注目されています。一九世紀の詩人ジョン・キーツが提唱し、「消極的能力」、「消極的受容力」などと訳されています。
人は誰でも学習して身に付ける知識や技法、体験を重ねる中で身に付ける体験知などサムシングなどがあります。逆にサムシングがなければ、専門家とは言えません。サムシングがあれば、どうしてもそれを駆使して何かをアンサーしてしまいます。つまり、外界を認知するときのフィルターになり、発信された内容・事柄に対して、内容・事柄で答えてしまいます。因みにレスポンスとは、発信された情緒・感情に対して情緒・感情で応えることを言います。
相談を受ける際、解決を急がないことが大切になります。表層的で波風を立てずに過ごす「いい関係」から、自分自身の考えやあらゆる感情を適切に示すことで自分を理解してもらいながら、相手も理解する「真の関係」になるのです。
そのためサムシングに基づく知見やスキルを一旦保留し、外界の対象そのものを観察し、相手の視点に立ちながら、想像力を働かせるのです。共に悩み、共に苦しむ能力が必要です。そのため、何かをするのを封印し、共に居ることに徹することになります。なかなか難しいことですが、これがネガティブ・ケイパビリティです。
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