読者の皆さんは、二〇二三年を迎え、いくつになられましたか?それは、数え年ですか、満年齢ですか、何て聞かれたことはありませんか。数え年とは、何でしょうか?
辞書によると、数え年は、生まれたその年を一歳とし、以後正月ごとに一歳ずつ増やして数える年齢の表現方法とあります。満年齢は、生まれた時点の年齢を〇歳とし、以後誕生日の二十四時に一歳を加算します。数え年において、始まりを一歳とするのは、〇という概念が存在しない、宗教的な考えに基づくなどの理由があるようです。現在の日本では、満年齢で表現することが多いようです。
心理学的に見ますと、母親の受胎から子育ては始まっています。母親が妊娠した時を「生命の誕生」と捉え、出産した時を「肉体的誕生」、言葉を話し出す「精神的誕生」、そして自立を目指す「社会的誕生」と繋がって参ります。出産時には、十月十日が経っており、一歳と考える数え年とは、矛盾がありません。
また、胎教はおなかの赤ちゃんを意識して、思いをはせながら妊娠中を過ごし、赤ちゃんに話しかけたり、触れ合ったりしてコミュニケーションをとることで親子の絆を築きます。妊娠五ヵ月頃から赤ちゃんの脳や五感がどんどん発達してきます。中でも赤ちゃんの触覚は五感の中でも最も早く発達し、おなかに触れることで母親の手のぬくもりが赤ちゃんに伝わるのです。日本でまだ数え年が使われているのには、生命の誕生から考えられているのではないかと想像できます。
いずれにしても、妊娠中から生命がスタートしているという認識は大切だと思います。
茅ヶ崎商工会議所会報 2023年三月号 第十六話
「お耳を拝借~ササモライフの茅ヶ崎かわら版」から