「企業まるごとカウンセリング」は、心のケアだけでなく、働きやすい職場作りを目的に活動しています。最近あった、企業まるごとカウンセリング的な出来事を紹介しましょう。

その企業においては、職場の改善として５Ｓ活動を取り入れました。今から５年以上まででした。当初は、５Ｓ活動は、トヨタなどの大手製造メーカーでやられていることで、私たちの業界（言えませんが）では、ムリなことであり、該当しないといって、本気で取り組みませんでした。

一部の経営者のリーダーシップにより、何とか取り組み始め、不要なものを処理する「整理」をじっししたところ、スッキリしたため効果を感じてやる気が出てきました。しかし、本気で理解したわけではなかったし、全員が取り組むことをチーム編成することによって巻き込もうとしましたが、目が届かないとこでは、十分に周知が出来ませんでした。案の定、徐々にまた最初のように現場が乱れてきました。そこに一部の経営者が反旗を掲げ、業務中心（商品に関るところだけ）だけ行い、５Ｓ活動をやめてしまいました。どんどん乱れていく現場を横目に見ながら、その部署を除いた、やる気のまだあった事業で行うことにしました。共倒れを防ぎたいとの思いから進めることを決断しました。

そして、その効果がはっきりと現場で出てきました。これまで何故、５Ｓが進まないのか、片付けがなされないのか、チョイ置きが直らないのか、などみんなで議論することもしばしばありました。エリアを決め、それぞれの担当者の口から会議の中で、「みんなの協力がないと出来ません。協力お願いします」とこれまでは、やらされている社員から自ら主体的に取り組むように変化してきました。５年という長い時間を要しましたが、我慢して手を出さず、じっと見守ってきましたが、何ともまるごとカウンセリング的な出来事でした。これまでは、商品を出荷することだけが業務であると言っていた社員が変わった瞬間でした。

思わず涙が出てきた瞬間でした。我慢し、信じて見守って来た甲斐がありました。